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今の仕事の契約がもうすぐ切れる。 今回は希望しての短期タームの仕事。 5ヶ月半の予定で、きっかりそれで仕事を終え、仮住まいを引き払う予定。 このしばらく、仮住まい、という状態がずっと続いていて、自分がなにをしているのかたまにわからなくなる。 働いて、暮らしている。 もしくは旅をしていた。 そういう3年弱だ。 おとなになってからの3年は短い。 高校生活まるまるの時間、だと思うと、相当に長い期間なはずなのに。 けれどそれ相応、やはり3年、経っているのだ。凡そ。 約2ヶ月先のことが、なにも決まっていない。 子供の時にはありえなかった時間感覚かもしれない。 知らなかったとしても気に留めなくても、2ヶ月先の学校行事も授業のカリキュラムは決まっていて、どこでなにをしているかわからないなんて、思ったこともなかった。 受験に失敗したら、私立・公立どっちの高校に行くかわからない、とかいうレベルではなく、言葉通りなにも決まっていないし、家もない。 決めているのは展示の予定ばかり。

ひとまずは大阪に帰ろう、と思うけれど。 あえて自分を誰も知らない遠くの街とかに住みたくなる願望はどうしてもどこか心の隅から出て行こうとはしない。それはもう仕方ない。 大阪を出て、一番思ったことは、思っていたより、自覚していたよりずっと大阪のことが自分は好きだったんだな、ということ。 好き、といっても、愛着とかそういうことよりずっと現実的な話で、「暮らしやすい」と思う。 大阪はそんなに小さくはない。 けれど、主要な部分同士はそう遠くないし、中心地から中心地へということであれば、奈良へも京都へも神戸へも、昼過ぎから思い立ってぱっと着くという便利さ。 うつうつとすれば、ぎょっとするほど人がひしめく繁華街へ出て、なにも考えないで街の一部になってふらふらと気のない買い物もできるし、ちょっと電車に乗れば木々生い茂る場所も歩けて、汚くていいなら海もみれる、人工的な空間でよければスーパー銭湯もあるし、そんなありとあらゆる娯楽が、次の行動をぱっぱと決めるということが非常に苦手な自分にとって「なんとか間に合う」位置関係で、時間帯で、その中で生きられる。 わたしは大阪が好きだ。

夜になると街明かりもなくて星降る夜が見えるほどのど田舎は大好きだけれど、仕事をしながら住むのには難しいのかもしれない。 ただぼんやり、のんびり、ストレスにさらされずにいるなら、すぐそこに海があって、景色と空気が美味しい場所はとても魅力的だけれど、ポイズンな仕事はポイズンな街の中で何かを循環させながらやるほうが、健康的なのかもしれない。

多くのひとと関わりながら、「実質」関わらない都会の人間関係はある意味楽で、多くと関わらないからこその実質の関わりが重たいこともある。 選択肢があることが何かを奪い、何かを与える都会と田舎の関係。


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