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- 莉江 藤田
- 2017年2月11日
- 読了時間: 2分

前回の個展を終えた後の自分の文章を読んで、反省をする。 先日、ふとしたことでリアルに個展中の朝の空気を思い出した。 そんなことがあって、ふと読み返したのだった。 何度展示をしても、毎度、個展の在廊をする時の朝はつらいものがある。 いつもよりうんとうんと気を張っていないと倒れてしまいそうになる、あの感じを。 早く起きれる限りはやく起きて、いつもよりちょっと濃いコーヒーとか、いつもよりちょっと濃いアイラインとか、いつもよりちょっと背が高くなるようにハイヒールとか、色々な小さな願掛けというかまじないみたいなことをして、自己暗示をかける。 展示物に対して、やれる限りの事をやっても、このまじないは必要で、リラックスしていないわけではないのだけど、「よし来い、なんでも来い」みたいな、そういうギアに1日いれっぱなしにするためには大事なことなのだ。
ダメだしをされることが怖い、というのでもない。
自分にとって展示は命がけのかくれんぼみたいなもので、みつかったら死ぬ。 死にたくなければかくれんぼに参加しなければいいので、死にたくないわけではない。 かといって死にたくない。 死ぬ死なない、そうではなくて、「命がけのかくれんぼ」がしたい。 本気で見つけて欲しい。 そうやすやすと見つかってはならない。 その狭間で潰れそうになりながらニコニコとお客様を迎えるのは、なかなかに、精神力が必要となる。 晩秋の朝と、その心模様はどうしたって親和性が高く、余計に心臓をキリキリさせる。 高いところで、心臓の外壁が削げるように痛むあの感じを、展示のある朝いつも、味わっている。 *
写真を撮ってはいるけれど、組まないうちは何を見ているのかやはりわからないでいる。 けども今は、なんともいえない逃げ腰姿勢が前の個展の頃から居座っていて、その腰にそろそろ鞭を打ちたいのだけれど、振り降ろせなくて困っている。 昔の写真との対決がまだ残っているみたいで、なかなか前に進めないものだなと思う。 この写真もH21年のフォルダから発掘した。7.5年前。 多分、FM2。
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