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  • 執筆者の写真: 莉江 藤田
    莉江 藤田
  • 2017年2月18日
  • 読了時間: 1分

泣いて叫んで声をあげてしまいそうな時の喉のつっかえる感じとか、 たまらなく心細くなって心臓がひゅんとして自分の肩を強く掴んでしまう時の感じとか、 涙が出そうになってちょっと背筋をひっぱるように天を仰ぐ時の感じだとか、 膝からへたりと崩れてしまいそうな弱った時の感じだとか、 鼻の頭が冷えていることをふと自分の手や膝で知ってしまった時の感じとか。 呼吸をする時、吐ききった時の肩の位置が異様に低い感じとか。 そゆのは皮膚の下に乾燥して眠っていて。 何かの刺激に対する反応で、鼓膜がコウコウ、と、体の中だけに響く大きな音をたてて震える。 そうしたら、水にもどされたみたいに身体に還ってくる、乾燥していた懐かしい感じたち。 その水の役割をするのは音とにおいと空気の感じ、目を閉じてみる方の夢、とか。 身体に降ってくる。皮膚の下から湧いてくる。 そうしたら、何か櫛の目のように抜けていた部分がさぁっと満たされて、自分がかえってくる感じがする。 そうしたら、酷く、ほっとする。

 
 
 

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